
貴金属とは何か
貴金属は希少な物質
貴金属とは、金(ゴールド)、銀(シルバー)、白金(プラチナ)、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムの8種類の元素を指す言葉です。
貴金属はどれも埋蔵量が希少で、さらに融点が高い上、変質しにくく腐敗耐性が強いなどという理由から工業・医療・美容あらゆるジャンルで活躍するため、供給に比べ需要が高いので他の金属に比べて高価です。
金銀やプラチナなどジュエリーなどで聞き覚えのある貴金属から、マイナーな貴金属まで、どれも実は身近なものに使用されており、なくてはならない存在なのです。
貴金属の種類
金(Gold)/元素記号:Au
自然界に金そのものとして存在する貴金属のため、古くから人々に知られており、富の象徴として取引されてきました。
存在する金の中で市場に出回っているものはほとんど投資目的などで“金”そのもので、アクセサリーや ジュエリー、医療品などに加工されたものは全体の数パーセントしかありません。
特に、経済の安定しない発展途上の国ほど海外でも通用する金を不動の財産として持つ傾向があり、独自の海外ルートを持つドロッグスがお客さまから金をはじめ貴金属を高額できる理由でもあります。 ⇒金の歴史
銀(Silver)/元素記号:Ag
銀も金同様、貴金属の中ではかなり古くから人類の歴史に関わりがあります。
古代の錬金術師は金を太陽、銀を月のマークで表し、その頃から金と銀は一対のような存在でした。
銀は金と比べ価格も低く、メダルでも一等が金で二等は銀というように、なんとなく二番手のイメージが強いですが、実は熱伝導や電気伝導は金属の中でもっとも優れており、その使い道はかなり豊富なのです。
しかし、銀は放置すると硫化して黒ずんでしまいますので、貴金属アクセサリーの中でも特に、シルバーアクセサリーはしっかりお手入れしましょう。
白金(Platinum)/元素記号:Pt
漢字では白金と書きますが、一般的には“プラチナ”と読んだ方が馴染み深いかもしれません。
直訳した“ホワイトゴールド”はプラチナの色合いに似ていますが、金の合金であり、プラチナとホワイトゴールドは別物です。
プラチナはその埋蔵量の少なさや流用性から金よりもさらに高価な貴金属です。
柔らかで変色しづらいという特色から、きわめて宝飾品に加工しやすく、さらに科学的な抵抗力も高いので、医療機器や化学機器にも広く使われています。
ロジウム(Rhodium)/元素記号:Rh
同じ貴金属で金や白金すら溶かす、王水(濃塩酸と濃硝酸を3:1で混合したもの。
人体に極めて有害な液体)で溶けない貴金属のひとつです。
薬品に対して抵抗力があり、空気中で酸化もされにくいです。
とても硬いためジュエリーや貴金属アクセサリーの加工には使えませんが、他の貴金属の硫化や傷を防いだりするメッキ処理にはその硬さこそが有用です。
パラジウム(Palladium)/元素記号:Pd
体積の935倍ほどの水素を吸収するため、水素貯蔵合金・水素吸蔵合金などとして重宝される貴金属です。
加工がしやすく、さまざまな触媒として使用されていますが、シェアのほとんどをロシアが占めており、価格の変動が激しいため、似たような性質をもつ同じ貴金属であるニッケルなどに移行されつつあります。
プラチナ950や900、ホワイトゴールドの割り金など、貴金属としてジュエリーにもよく使用されています。
オスミウム(Osmium)/元素記号:Os
青みがかった銀白色の金属で、全元素中最も比重が大きく密度が高い貴金属です。
レアメタルであり、その粉末は加熱や放置すると猛毒を生じさせる取り扱いに気をつけなくてはいけない貴金属でもあります。
白金やイリジウムとの合金は非常に硬く耐食性もあり、万年筆の貴金属のペン先などに用いられています。
貴金属としての加工物に限らず、その性質を活かし指紋検出の際に使用する試薬としても使用されています。
イリジウム(Iridium)/元素記号:Ir
白金族元素とよばれる貴金属の一種です。他の貴金属同様、レアメタルとして希少価値があります。
オスミウムにつづいて比重が高く、酸やアルカリには溶けず、常温では王水にも溶けません。
ただし、金のような展延性が乏しい貴金属のため、加工が難しい貴金属です。
しかし、合金の硬度は高く、耐熱性もあることからオスミウムのように万年筆のペン先や、貴金属ジュエリーとしては、希少性から結婚指輪などにも用いられています。